カテゴリー:VIX先物CFD

米国VIブルはご存知の通りUVXYを参照していますが、UVXYにも早期償還条項があるという記事を見かけました。
VIXショートの機会をうかがっている方にとっては気になる点だと思い改めて確認しておきたいと思います。

実際に早期償還条項があるのかどうか確認することはできませんでしたが、もし早期償還される場合は当然米国VIブルもその影響を受けるものと思われます。
とはいえ、その際参照されるのはVIX指数そのものではなくVIX短期先物指数になるはずです(UVXYはVIX短期先物指数の1.5倍に連動)。
従って結果としてはVIX先物の動きに左右されることとなります。
XIVの早期償還などと同様だとすると、例えば前日比-80%で強制償還などになると思われます。
すると概ねVXXが-55%程度下落する必要があります(VXXに連動しているわけではありませんので念のため)。

VIX指数自体は例えば3/16の終値ベースで前日比40%以上をつけたりしますので前日比50%下落もあり得なくはないでしょう。

VIXショック時のVIX指数は前日比115%上昇で終わっていますが、VIX短期先物指数は56.28→110.37に上昇しています。率にすると96%ほど上昇という結果です。VIX先物は期近が110%以上上昇しています。

VXXが-55%下落するにはVIX短期先物指数もそれくらい下がらなければいけません。その為にはVIX先物は期近はそれ以上下落する必要があります。
そうなると70%前後の下落が必要になりそうです。

IG証券にはボラティリティ指数というVIX先物を対象とするCFDがあります。
以前はVIX先物と同様に期限がありましたので、GMOクリックの米国VIのような価格調整額の受け渡しはありませんでした。

現在IG証券にはボラティリティ指数のノックアウトオプションも設定されており、米国VIの代用として最近取引していましたが(ええ、ことごとく損切りさせられました(笑))、IG証券のボラティリティ指数には期限ありや期限なし、ボラティリティ指数のノックアウトオプションの仕組みなど非常にわかりにくいので備忘録的にまとめてみます。

ボラティリティ指数の期限ありとなしの違い

期限ありはVIX先物に連動するように設定されているようですが、期限なしは日々期近と期先の先物を一定割合でロールオーバーしているようです。VXXのような感じだと思っていいと思います。
ただ、VXXはロールオーバー時の損益が価格にそのまま反映しますが、IG証券の場合日々ファインディングコストとして受渡します。従ってVIX先物価格とあまり乖離しない価格になっています。
ロールオーバー時の損益とは要するに期近と期先の価格差になります(IG証券のサイトには金利もかかるように書かれていますが取引報告書では詳細は分かりませんでした。多分先物対象なのでかからないと思いますが)。現在のようなバックワーデーションの場合、売り保有で持ち越すと支払いになります。このファインディングコストの計算方法はサイトに説明があります。
ざっくり言えば期近20期先が22だと価格差2。これを1か月の日数で割る。土日も計算に含まれます。
よく分からなかったのはいつの時点が基準になり加算されるのかです。少なくとも翌日昼頃まで玉を保有していると確実に加算・減算されていました。

ボラティリティ指数のノックアウトオプション

ボラティリティ指数のノックアウトオプションは期限なしのボラティリティ指数のCFDに連動するようです。
注意が必要なのはオプションとは言いながらファインディングコストの受け渡しも発生します。
また、このノックアウトオプションはロスカットレートの最大値が概ね現在値から2ドル台後半になります(変動しますがその基準はよく分かりません)。従って長期保有しようにも今回のような変動幅の大きい相場には不向きです。

※米国VIブルやベアはUVXY、SVXYを原資産としていますのでアメリカ市場がクローズしている時は取引できません。従って市場が開いた時に値がとんでいる場合があり相場が急変しているときは逆指値をつけていてもまったく機能しない場合があります。
この点ノックアウトオプションはオプション購入額(厳密には証拠金となっていますが)以上は損失を被ることはないので必ずしも不向きとは言えません。

オプションと銘打っているのはこの最大ロスカット分以外の証拠金などがかからないからだと思われます。とは言え、実際はこのロスカットレート×ロット分のノックアウトオプションを購入するのではなく証拠金として預けます。

また、システム的によくできていると思うのは(あくまでIG証券にとってであり顧客には不利)ノックアウトレートで強制決済されるとノックアウトプレミアムなるものが0.2ドル程度余計に差し引かれます。
余計に差し引かれたくない場合は逆指値をノックアウトレートより低めに設定しておけばいいですが。
新規の発注が現在値レートでしかできず、指値発注ができないのも注意が必要です。買いつないでいこうとする場合は相場に張り付いていなければなりません(いわゆるVIX売りをしたい場合はベアのノックアウトオプションを買うことになります)。

2.6ドルでベアのノックアウトオプションを買った場合は約定した時のボラティリティ指数の価格より2.4ドル上昇したら強制決済されます(0.2ドルはノックアウトプレミアム)、とこんな感じになります。
ボラティリティ指数の価格で発注するのではなく、あくまでノックアウトオプションの価格で発注しますので最初は混乱するかもしれません。

そして、細かいことですが、IG証券の場合ドル建てです。買う場合も売る場合も自動で円に交換されます。ドル建てで商品を買う場合は現在のドル円レートより0.5円ほど高めで交換され(サイトの説明では0.5%)、円で受け取る場合は0.5円ほど安くなります。
従って頻繁に取引すると地味にコストとして響いてくるかもしれません。

コンタンゴで相場が安定しているとFXのように毎日ファインディングコストが入ってきますが、バックワーデーションだと毎日高いレートで支払う羽目(円に交換されますから手数料が0.5%引かれた額)になってしまいます。

※追記
2020年3月の米国VIの価格調整額は8150円でした。
2020年3月11日米国VI価格調整額
今回は売り保有で大きく支払いになりましたが直近1年の受渡額をみるとまだプラスですね。
米国VI直近1年の価格調整額

3月11日は米国VIの価格調整の日です。厳密には翌日終値になりますが。
VIX先物は現在3月限が44.65、4月限が36.4で推移しています。
S&P500は昨日大きく値を戻しましたのでVIX先物も若干値を下げましたが、現在はまた少し値を上げています。

本来のVIX先物の期限は来週ですが、米国VIは本日なのでこのままだとかなり大きなバックワーデーションになり売り保有継続の場合は支払いになりそうです。
とは言え、現在米国VIは新規売りが規制されていますから売り継続の方は長期保有の方でしょうから今までの価格調整額の受け取りも積みあがり、また証拠金もかなり多く積まれていることでしょう。

ちなみに5月限のVIX先物は30程度で推移しています。
どれくらいバックワーデーションの期間が続くか過去の事例をちょっと調べてみました。
過去VIX指数40を超えた時期に限定すると

2015年のバックワーデーション期間約2か月

2015年8月の時は8/20日から10/14日まで約2か月程度です。この時の最大バックワーデーション(終値ベース)は3.9。ちなみに11月12月にも日数は少ないですがバックワーデーションの時期があり、翌年の2016年は年初から2月中旬までバックワーデーションが続いています。

2011年のバックワーデーションは約2か月半

2011年は8/8日にVIX指数が初めて40を一気に超えて48をつけます。この時は7/27日にバックワーデーションが始まり(厳密にはその前にも何度かバックワーデーションになっています)、11/15日に終わります。この時の最大バックワーデーションは7.5です。

2010年のバックワーデーションは1か月弱

2010年は5/7日にVIX指数が40.95をつけます。バックワーデーションは5/6日に始まり途中何度かコンタンゴに戻り6/9日に一応終わったとみていいと思います(厳密にはそのご何度かバックワーデーションはあります)。この時の最大バックワーデーションは1.75。

リーマンショック時の最大バックワーデーション21.1

あとVIX指数が40を超えたのはリーマンショック時の2008年2009年まで遡るのであまり参考にならないかもしれません(既に今回のコロナショックはリーマンショック級だと言う人もいますが)。
一応参考までに2009年は1月初めころから4月初めころまで途中何度かコンタンゴに戻りながらバックワーデーションが続きます。
2008年は6月下旬ころからバックワーデーションが始まり途中何度かコンタンゴになり、7月下旬には一旦終息します。9月の下旬頃から再度バックワーデーションが始まり最大バックワーデーション21.1を記録。12/11日に一旦コンタンゴに戻ります。ちなみにこの日のVIX先物は期近が55.06、期先が55.32です。

今回は2/24日にバックワーデーションが始まり最大バックワーデーション8.45を記録しています。

バックワーデーションの時にVXXはどんな動きをするのか

VIXショーターの方にとって気になるのはVXXの動きではないでしょうか。
VXXだと理論値などで少し分かりにくいのでVXXが連動しているとされるVIX短期先物指数でみてみましょう。データが10年前までしかないのでリーマンショック時は省略します。※VIX短期先物指数のデータはこちらで公表されていますhttps://japanese.spindices.com/indices/strategy/sp-500-vix-short-term-index-mcap

興味深いのはVIX指数の動きとVIX短期先物指数の動きです。

同期間の開始時と終了時のVIX短期先物指数
2015年は480.41→565.62
2011年は9707.91→18114.81
2010年44385.06→51001.41

同期間の開始時と終了時のVIX指数
2015年19.14→18.03
2011年22.98→31.22
2010年32.8→33.73

同期間中のVIX指数最高値
2015年40.74
2011年48
2010年45.79

VIX指数最高値時のVIX短期先物指数
2015年687.54
2011年14813.85
2010年55191.95

最高値からバックワーデーション終了時のVIX指数騰落
2015年40.74→18.03 -55.7%
2011年48→31.22 -34.9%
2010年45.79→33.73 -26.3%

VIX最高値時からバックワーデーション終了時のVIX短期先物指数騰落
2015年687.54→565.62 -17.7%
2011年14813.85→18114.81 +22.2%
2010年55191.95→51001.41 -7.8%

2011年もVIX指数が下落しているにもかかわらずVIX短期先物指数は上昇しています。これはVIX指数が初めて40を超えた8/8日のVIX指数が一番高くその後何度もVIX指数が40を超えるような展開だっためであり、同期間でVIX短期先物指数が一番高かったのは10/3日の23578.85です。当日のVIX指数は45.45とずれているからです。

既にお気づきだと思いますが、VIX短期先物指数はVIX指数そのものではなくVIX先物が対象ですからVIX指数自体に連動していないことに留意する必要があるでしょう。

相変わらずGMOクリックの米国VIや米国VIブルは新規売りが規制されていますので仕方ないので米国VIベアを少しだけ買ってみましたが、米国VIが昨夜一時33を超えていました。

直近で米国VIが33を超えたのはGMOクリックのプラチナチャートでは見つける事ができませんでした。最大で2016年4/21までしか遡れませんし、そもそも米国VIが設定されたのは2016年9月頃のようです。
直近で一番値が高かったのは例のVIXショックの2018年2月5日の32.63でした。

当時のチャートを見て貰うと分かるように前日比で100%程度という凄まじい上昇ですが、その後は比較的穏やかに見えます。穏やかというのは今だから言える事であり、当時はそれまでの相場が史上稀にみる低ボラだったのでこのインパクトは結構尾を引いたように思います。

米国VI自体はVIX先物を参照していますのでVIX先物の各年の平均値をみてみましょう。

2004 -1.80 16.13
2005 -0.92 13.22
2006 -0.85 13.10
2007 0.13 17.65
2008 2.83 31.32
2009 -3.20 32.28
2010 -2.63 23.44
2011 -0.36 24.47
2012 -2.80 19.06
2013 -0.75 14.95
2014 -0.05 14.90
2015 -0.26 17.25
2016 -1.59 16.91
2017 -1.61 12.21
2018 1.50 16.56

 

右端が期近のVIX先物の単純な平均値です。

2008年はリーマンショックの年ですから平均でも30を超えています。しかし、平均値だけでみると翌年の2009年のほうが高い。

2017年は平均で12台とかなり低いですが、VIXショックのあった2018年は16台とそれほど高いわけではありません。

先物の価格は限月ごとにリセットされるため連続性がないとも言えますから価格そのもので比較すると実際の相場はどうだったのかよく見えません。

VIXを触っている方のほとんどはVIXショーターの方だと思いますので、VXXの騰落はどうなっているのか参考に見てみましょう。

※VXXの値は理論値を含みます。

2008年 +約119%

2009年 -約62%

2017年 -約70%

2018年 ₊約74%

 

年初から年末までのVXXの騰落状況ですが、2008年は分かるとして2009年はVIX先物価格は高いのにVXXは60%以上も下落しています。

また、2017年も低ボラだったので下落するのは分かりますが、2018年はVIX先物価格自体は高くないのにVXXは70%以上も上昇しています。

 

当該年のS&P500の騰落

2008年 -37.5%

2009年 +19.6%

2017年 +18.4%

2018年 -7.7%

 

 

ちなみに2020年のVXXは年初終値14.51から昨日終値26.68で年初からの騰落率は約83%の上昇。

米国VIブルが参照しているUVXYは12.11から28.71の約137%の上昇です。

UVXYはVIX短期先物指数の1.5倍のレバレッジがかけられているのでVXXのほぼ1.5倍の動きをしますが、レバレッジの影響が今回はプラスのほうにでてパフォーマンスが良くなっています。

 

もしもVXXが上下動を繰り返しながらもこのままの水準で終われば2004年から2019年まででみると2008年に次ぎ2番目に高い上昇率となります。

 
※追記
翌日早速ロスカットアラートが来ていました。
米国VIブルあたりが新規売り規制されていてよかったです(笑)
 

※追記
ロスカットされているものと思っていましたが、結局ロスカットされていませんでした。
損切りしようにも市場が閉まっているので何もできず、市場が開いた時点の最安値近辺でロスカットされていました。
例え逆差値をつけていてもこのような場合はまったく意味がないので注意が必要です。

建玉総額に対して一気に20%ほどのマイナス。証拠金に対してはほぼ100%となるのでもしも全力でやっていたらとてもブログ更新する気になれないと思います(笑)