• 原油CFD

アクセスが多いようなので追記しておきます。
以下の記事は私の独断であり一般的なコンタンゴによる減価の説明とは違いますのでその点ご理解の上興味のある方だけお読み下さい。

コンタンゴによる減価についての誤解

VIXの売りでコンタンゴによる減価をご存知の方も多くなりましたが、コンタンゴだから減価するわけではなく、また実際は減価していないことをご存知の方は多くはないでしょう。
一般にコンタンゴによる減価とは先物をロールオーバーする際に期近の先物を安く売り、期先の先物を高く買い、この時点でコストが生じるからと言われています。
確かに安く売って高く買ってはいるものの、実際に先物をロールオーバーして持ち続けると分かりますが損益自体は当然決済した期近の先物価格で生じます。
従って仮に期先の先物価格が高いコンタンゴでも期近の先物が買った価格より上昇してればそこで利益は生じますよね。さらにコンタンゴの幅がその利益幅より縮小していたらどうでしょうか?
端的に言えばコンタンゴによる減価と言われているのは一見すると価格は上がっているのにそれほど儲かっていない、或いは損失がでている状態の事を言っているとおもわれます。
例えば原油は11月には30ドル程度になるというレポートがありますが、では仮に12月頃に30ドルになるとして今から原油先物をロールオーバーしながら12月まで持ったとしたら利益がでるのでしょうか?

コンタンゴの幅も価格も変わらないとしたら利益も損失もありませんよね。
6月限を17.07ドルで買い、期限がきたらそれを同額で売却し7月限を22.34ドルで買い直し、期限が来たら同額で売却、それを繰り返しても価格は12月に29ドルに到達します。
既に12月の先物価格はほぼ30ドルだからです。ここで注意が必要なのはコンタンゴにも関わらずコンタンゴによる損失はない点です。
価格もコンタンゴ幅も変わらないとしたらコンタンゴであろうがバックワーデーションであろうが損益にはまったく影響はありません。
これは先物対象のCFDを価格調整日に持ち越す場合も同様で、CFD業者さんでも損益に影響はないとしっかりとアナウンスされています。
仮にCFDで同様のことをしたとすると(ほとんどの業者さんで既に6月限ではなく7月限になっていますが)17.07ドルで購入したものが12月には29ドルになり評価益は12ドル程度ありますが、価格調整で支払いが生じトータルでの損益に影響はありません。
つまりコンタンゴだから減価するわけではないということです。
ではなぜコンタンゴだと減価すると言われているかというと、価格は上昇しているように見えるのに儲かっていないからです。
現在6月限の原油先物は17ドル前後で買えますが、17ドル程度で買ったものが30ドル程度に上昇しているのに利益も損失もありません。

コンタンゴの売りで儲けるとは

ではなぜコンタンゴだと売りで儲かるのかというと、価格は無限に上昇し続けませんし、価格が少しずつ下がる傾向にあるからです。
分かりやすいのはVIXです。
VIXの場合はVXXが長期的に右肩下がりのチャートを描くことからコンタンゴ売りが注目されましたが、上記の通りコンタンゴだから減価していくわけではありません。
先物は基本的に現物の価格で清算されますが、VIXの場合通常の相場であればVIX先物は現物より高く取引されています。
もうお分かりだと思いますが、先物が清算されるときはVIX指数(現物がありませんが現物にしておきます)の現物で清算されるので必然的に安くなることが圧倒的に多いです。
つまり常に高い価格で先物を買って安く清算するのです。この事は確かにコンタンゴが多いからだとも言えますが。
また、VXXの場合はVIX短期先物指数に連動するように設計されていますが実際の先物を購入売却しないETNです。従って期近と期先の価格差のみを加減算しているという特性がありますがこの点は直接関係ないので別記事にしたいと思います。

コンタンゴだから売りで儲かるとは言えない

以上のようにコンタンゴだから必ず売りで儲かるとは言えませんし、コンタンゴだから買いで儲からないとも言えません。

以前の記事

GMOクリックにはWTI原油の先物を対象とするCFDがあります。

取引単位は10倍ですから現在は600ドル程度、レバレッジは20倍ですから証拠金3000円台で取引できます。

先物を対象としていますので価格調整額が発生します。前回は110円、前々回はゼロ円。

原油CFDでサヤすべり取りができるでしょうか?一般的には期先の先物価格が高い順ザヤ=コンタンゴだと先物を買い続けるとコストがかかり損をする、だから先物を売り続けることで利益があがるように言われます。
原油CFDの過去の価格調整額を見てみましょう。

過去1年を見てみると、2018年1月と2月を除いて期先が高いコンタンゴです。
そこで昨年の5月17日に期先を49.29ドルで売りを継続して保有したと想定します。
2018年5月17日の価格は71.68ドルに上昇しているので22.39×10で223.9ドルの含み損。
価格調整額の受け取りは1750円なので大幅に含み損となります。
逆に言うと買い保有で大幅に利益になったことになりますが、なぜコンタンゴなのに売りで利益がでないのかというと単純に価格が大きく上昇しているからに他なりません。
また、期近と期先の価格差もかなり狭いので価格調整額自体もほとんどありません。少しでも先物価格が上昇すれば価格調整額を上回る損失がでます。
この事から言えるのは、コンタンゴでの売りで利益がでる(サヤすべり取り)構造は先物価格が上昇せず一定の幅に収まることが必要で、かつそれは期近と期先の価格差以下になる必要があるということになります。
従って長期に渡って上昇することのあるような商品だとコンタンゴ状態が続いても利益がでるまでに時間が必要な場合もあり、その間に含み損が増え、証拠金も多く必要になります。
勿論、多くの商品がそうだと言えますが価格が無限に上昇することはありませんのでいずれは下がることになるでしょう。
ただ、それまでに耐えうるだけの資金がなければ利益にはなりません。
とは言え、原油先物でサヤすべり取りができないのかというと必ずしもそうは言えない部分があります。期近と期先の価格差が大きい時もありますので多少の価格上昇を吸収して余りあるときもあります。